アラン・カルデックの「霊との対話」 天国と地獄 本書内容




【地獄抜粋】
6年前に身投げした男性からのメッセージ。
「ああ、これほど長いあいだ、これほどひどく苦しんでいる悲惨な者に、どうか哀れみを!ああ、空虚....。空虚の中を落ちていく、限りなく落ちていく、限りなく落ちていく。ああ、助けてくれ〜!(中略)
どうか祈ってください。もうこれ以上、空虚がのしかかる事に耐えられません。このままでは体が砕けてしまいます。どうかお願いします。
あなた方は自殺によって地上を去った人間がどれほどの悲惨を経験するか、よくご存知です。見ず知らずのあなたがたに、こうしてお願いするのは、この苦しみにこれ以上、耐えられないからです。(略)」

この男が死んでから、やがて六年がたとうとしているのに、この男は、相変わらず、「塔から落ち、体が岩に激突する」という体験を繰り返しています。目の前に広がる空虚を見ては、繰り返し恐れおののいているのである。体が落下する恐怖に、絶えずさらされているのだ。それも6年ものあいだである。それは後どれくらい続くのであろうか?彼には、それはまったく分からず、そして、そのことが、さらに苦悩を深くしている。(略)


【天国抜粋】
永遠のなかで生きる喜び ヴァン・デュルスト氏
「(中略)後悔する事があるとすればたった一つ、あなたがたが現在知っていることを生前知らなかったということだけです。それを知っていれば、死後の混乱はもっと軽いものになっていたでしょう。知らなかったために、かなり大変でした。生きているのか生きていないのか、わからない状態に陥ったからです。
自分の体が見え、それに強く執着しているのだけれども、その体を使う事が出来ない。愛する人たちが見えるのだけれども、その人たちと自分を結びつける絆が消えていく。なんと恐ろしいことでしょう。ああ、本当に残酷な瞬間でした。
(中略)
どれほど続くのか分からない期間、どんよりした重苦しい苦悩に包まれる。無限とも思われる、そうした時間が過ぎると、もはや感じる力も残っていない。
それから徐々に生まれ変わるのです。つまり、新しい世界の中で目を覚ますと言う事です。もう肉体は無く、地上の人生が終わる、すなわち、不滅の生命を得るのです。まわりには、肉体を持った人間は一人もいません。軽やかな形態の人間、すなわち霊人たちが、自分のまわりに、あらゆる方向に見えます。しかし、その数は無限なので、全ての霊人を目で捉えることは出来ません。目の前の空間は、思い一つで移動する事が可能です。周りにいるどのような存在とも、思いを交わす事が出来ます。
ああ、友よ、なんという新たな人生、何という新たな人生、なんという輝かしい人生でしょう。何という喜びでしょうか。何という救済、何という救い、永遠のただなかで生きられるとは!
私をかくも長いあいだ縛り続けていた地上よ、さらば!私の魂の本性からかくもかけ離れている地上よ、さらば!もうお前に用は無い。おまえは流刑の地、そこにはいかなる幸福も無いに等しい。
しかし、もし私が霊実在論を知っていたならば、あの世へのこの移行は、もっとはるかに簡単で、快適なものとなっていたはずなのです。あとになって、肉体から魂が分離するときになってようやく知った事を、死ぬ前に知っていたならば、私の魂はもっと楽に体から離れることが出来たでしょう。
(中略)
もっとも、こちらには移動を邪魔するものは何も無いし、力を奪う加齢ということもないので、どんどん学びは進むとは思いますが。こちらでは、のびのびと生き、自由に進化できます。はるか彼方には、本当に美しい地平線が広がっており、どうしてもそちらへと行きたくなるのです。
それでは、これで、さよなら」